3(x+2)=-2(x-8) …(1)
という方程式を我流舎では,
3x+6=-2x+16 …(2)
3x+2x=16-6 …(3)
5x=10 …(4)
x=2 …(5)
の全ての行を飛ばさずに書くように指導しています。
(1)→(2)は,展開する(カッコをはずす)作業,
(2)→(3)は,移項する作業,
(3)→(4)は,同類項どうしの加減,
(4)→(5)は,両辺の割り算,
と,それぞれ一つの作業ですが,ちょっと慣れるとどうしても複数の作業を頭の中で処理しようとする人が出てきます。
「えっと…カッコをはずして移項すると…」と(2)を飛ばしたり,
「移項して同類項を整理すると…」と(3)を飛ばしたりするわけですね。
行数が少ない方が頭の中で処理しているわけですから,何だかハタ目にかしこそうに見えますし,だいたい書くのが面倒なわけですね。
しかし,よっぽど慣れてどんなに悪くても計算問題の95%は正解できるというレベルでない限り,絶対に頭で処理してはいけません。
まちがいなく紙に書いた方が速いし正確です。
この,紙に書いた方が「速い」というところが大事です。皆さん,面倒で作業を省略しようと思って暗算しようとするのでしょうが,紙に書いている人のほうが確実に計算が速いです。
また,頭で計算するから疲れるのです。書くのが面倒だからという理由で頭で処理しようとして余計に疲れているのですね。
と,いうことを繰り返し言っているのに,やっぱり頭で計算しようとする人がいます。
小学校の時に算数のテストはいつも80点以上取れていた人で,何回言っても暗算の癖が直らない人に「君は中学に入ったら数学ヤバいよ。」とよく言っていたのですが,中学に入って一年,案の定平均点といい勝負ぐらいになってきました。
君だよ君っ。
暗算を奨励する塾もあるようですが問題外です。結果が出なくてうちにいらっしゃって,その癖を直すのに数年かかります。
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