同じ結果にたどりつくなら,「できるだけ苦労が少ない方がいいのではないか」という考え方があります。私は人生全体について語る資格も能力もありませんが,勉強に関しては「苦労」はした方がいいかと思います。よく,目いっぱい勉強しているガリ勉タイプの人を見て,

「いっぱいいっぱいだ」

「伸びきっている」

という言い方をする人がいます。しかし,これは間違いです。毎日適当に過ごしているAくんと,毎日目いっぱい勉強しているBくんとが,ほぼ同じぐらいの成績をとっているとしましょう。Aくんは心の底で「あいつ(=B)は頑張ってあの程度なんだな。つまり,おれの方が能力的には優秀ってわけだ。本気を出せばおれが確実に勝つね。」と思っているかもしれません。ヤなやつですね。しかし,A君には誤算があります。生活態度やモノの考え方というのは簡単には変えられないということです。今まで本気を出してない人はこの先も本気を出せない蓋然性が高いのです。さて,この二人は,この先どのような生活をするでしょうか?Aくんは「本気を出せばおれは…。」と思いながら適当に過ごし,Bくんはやはり勉強を続けるでしょう。どうなるかは目に見えていますね。これは,自分の学校時代の体験や,勉強を教える立場になってから色んな子どもたちを見てきた結果,得た結論です。

 

よろしいでしょうか?「本気を出していない」と言う人の大半は「本気を出ない」のではなくて「本気が出ない」のです。「自分の子どもには苦労させたくない」とおっしゃる方がいらっしゃいますが,できれば,苦労をさせるために定期的にハードルを与えた方がいいと思います。ですから,できるだけ大学の付属校は避けて,高校入試も大学入試もやった方がいいでしょう。

 

学校というのは,その教科内容が直接的に将来役に立つという面もありますが,何らかの対象に対してどう取り組むか?を学ぶ場でもあります。自分にとって新しいことに対して,それに関する情報を集め,それに対する対処法を研究し,その方法に従って日々努力をし,自分の方法論に不具合があればそれを修正し…と言うことができれば,社会に出てから何があっても大丈夫です。受験勉強というのはとても有意義な修行です。決して無意味に灰色の青春を押しつけるものではありません。

 

あ。人生について語る資格はないと言ったのに話が大きくなりました。すみませんm(_ _)m