「受験勉強」とは何でしょうか?

色んな定義ができますけれども,1つの定義の仕方として,「現在学校で習っている範囲とは無関係の勉強をすること」ということができます。現在学校で習っており,直近の定期テストの試験範囲になっているところの勉強をするのは「定期テスト対策」であって,「受験勉強」ではありません。例えば,数Ⅰ・Aが終わって学校で数Ⅱ・Bを習っている人のうち,数Ⅰ・Aの勉強を継続する人は,定期テスト対策としての数Ⅱ・Bの勉強だけに集中する人よりも現役合格する確率は格段に高まります。ですから,浪人したくない人に言いたいことは(私も浪人したのでえらそうなことは言えませんが),「定期テストの点数はある程度あきらめよ。」です。さすがに欠点を取ったり,成績会議に引っ掛かったりすることは精神衛生上好ましくありませんが,60点取れる人が80点を狙う必要はありません(初めから推薦だけを考えている人は別です)。その定期テストに注ぐエネルギーと時間を「受験勉強」に注ぐ勇気こそが,浪人することを防ぐのです。定期テストが終わったら「やっと勉強から解放される」のではなくて,「やっと自分の勉強ができる」と考える人が現役合格をつかむのです。

 ですから,私は家庭教師時代,定期テストが近づくと授業は休みにして本人に任せ,終わったら授業を再開するようにしていました。定期テスト対策なんかに高い家庭教師代を払ってもらうのはご家庭にとってもったいないことだからです(内申点の問題となる中学生と推薦入試を狙う高校生は別です)。とにかく現役で第一志望に合格したいのであれば,目先の点数の上下にこだわらないことが肝要です。

 ところで,定期テストが終わったとたん,授業を休み自習にも来ない君たち,浪人街道まっしぐらでいいのか?やっと思う存分勉強できる時が来たのに…。ま,予備校生活も楽しかったけどね(私は)。